2016年3月29日火曜日

木星の衛星 Amalthea(アマルテア)

今晩はシーイングが良さそうな予報だったので期待大だったのですが、残念ながら関東地方は、やや荒れた天候になり夜半過ぎまで晴れませんでした。それでも、日付が変わった頃から晴れ間が見えてきたので、ダメ元で撮影してみました。でも、気圧の谷が通過した直後だけに、気流のうねうねがよく分かる荒れた木星面でした。何カットか撮影したのですが、あんまり気が乗らず早々にあきらめて、別テーマを試してみました。今回のテーマは、木星の衛星「アマルテア」です。
アマルテアは、ガリレオ衛星4個の次に明るい木星の第5衛星です。Wikiの情報によると直径189kmとエウロパの1/15。したがって、明るさが14等と非常に暗いです。そのため、軌道半径がイオの半分程度で木星の近傍をぐるぐる回っている割には、見たり撮影したりする方は非常に少ないのではないでしょうか。今回、夜半過ぎに離隔が最大になったので、そのタイミングで撮影してみました。木星がハレーションで倍ぐらいの大きさになりましたが、以外とあっさり写りましたね。まぁ、撮影できたのですがそれ以上の意味は無いので、今回はここまでとさせていただきます。

2016/03/29 00h36m38s (JST), + 600sec
DK125(318mm-F20 Dall-Kirkham), 
ZWO ASI224MC, Wedge prism (2deg), Baader IRpass-Filter
Exp : 1sec, Gain 450
CMI=338.3° CMII=59.9° CMIII=81.8
Io = 5.0mag , Amalthea = 14.1mag
T=4/5, S=2/5

2016年3月26日土曜日

久々の月面です。

3月21日の撮影です。アリスタルコスを中心に、周辺を撮影してみました。ASI174MMで撮影した8枚に画像でモザイク合成しています。虹の入り江付近が、ちょっと中途半端になりましたね。

2016年3月24日木曜日

SER Playerのご紹介

最近のCMOSカメラは10bit以上のADを保有する物が多いのですが、惑星撮影時にaviで保存すると8bitに変換されてしまいます。まぁ、通常のCMOSセンサーで得られる画像のSNRは40~50dB程度なので、理屈からすると十分なはずなのですが、なんとなくもったいない感はありますよね。その場合"ser"形式で保存すれば16bitまでのデータを記録することができます。ただ欠点として、データ量が大きくなるのと、映像が専用アプリで開かないと確認できない点でした。
不便だな~と思っていたのですが、やっぱり世の中は広い。その名もズバリ、"SER Player"というのがありました。ライセンスはフリーのようで、これをインストールしておくと、serのサムネイルが中身を反映した表示になり、Wクリックするだけで動画として再生することができます。撮影した動画の確認が超簡単になるので、お勧めします。また、OS X, Linuxにも対応しています。


2016年3月23日水曜日

3月21、22日(JST)の木星です

※ 3/24 画像入れ替えました
GPVの予報に反して、晴れました。また。シーイングも思ったよりも良かったです。
赤道帯に見える濃いフェストーンが印象的です。ただ、ASI224MCだと、あんまり青っぽくは写らないです。

2016/03/21 22h40m55s (JST) + 120sec
DK125(318mm-F20 Dall-Kirkham), 1.3x Barlow (F=26) 
ZWO ASI224MC, Wedge prism (2deg), Astrodon L-Filter
Exp : 20msec, Gain 220
CMI=239.3° CMII=15.0° CMIII=35.0°
Diameter=44.1", T=3/5, S=3/5

3月22-23日の木星追加
大赤斑が見えるまでねばったのですが、シーイングがまったくもってダメでした。拡大率を少し上げてみましたが、このシーイングでは効果は不明ですね。

2016/03/23 00h16m10s (UT) + 120sec
DK125(318mm-F20 Dall-Kirkham), 1.5x Barlow (F=30)
ZWO ASI224MC, Wedge prism (2deg), Astrodon L-Filter
Exp : 20msec, Gain 260
CMI=94.8° CMII=222.4° CMIII=242.7°
Diameter=44.1",  T=4/5, S=2/5


2016年3月19日土曜日

3月17-18日(JST)の木星です

久々の木星撮影です。16-17日、17-18日の2夜撮影しましたが、17-18日はシーイングが良かったです。4/5ぐらいでしょうか?
そんな中で、今回は一番画像が良かったのは、Color CMOSカメラのASI224MCでした。ベイヤー配列のカラーカメラは解像度の面で不利だと言われていたのですが、予想に反して解像度の高い画像が得られました。なにが作用したのかは分かりませんが、ちょっとびっくりです。

2016/03/18 00h04m30s (JST), + 120sec x 4 (Total 480sec)
WinJUPOSによるDe-rotation処理
DK125(318mm-F20 Dall-Kirkham), 1.3x Barlow (F=26)
ZWO ASI224MC, Wedge prism (2deg), Astrodon L-Filter
Exp : 20msec, Gain 220
CMI=20.1° CMII=185.9° CMIII=204.8°
Diameter=44.27"
T=2/5, S=3/5~4/5かな?

2016年3月16日水曜日

ハワイ島へ行ってきました マウナ・ケア ドライブ編

雲の中のオニヅカ・センターでしたが、やっぱり星が見たいということで、レンタアーで山頂を目指しました。すると、10分も走らないうちに雲の上へ。そこは先ほどまでは打って変わって、紺碧の青空と一面の雲海が広がっていました。家族一同テンションはMAX! 「いけ~」とばかりにグイグイ昇っていきます。調子に乗っていますが、実はマウナ・ケアの山頂ルートは、大半のレンタカー会社の保険は免責扱いです。したがって、故障や事故による物損・ケガなどの対応は全て自己責任になります。唯一? Harperというレンタカー会社は、免責$5,000という意味不明な条件で許可しているところもありますが、それなりのリスクがあるのでご注意を。なので、これらのトラブルを回避したい方は、やはりツアーに参加した方が良いと思います。・・・とか言いながら、後先考えずに昇ること30分。山頂までの道は、未舗装ながら見てのとおり意外とフラットなので、思ったより高い位置まで上がることが出来ました。でも、標高4,000mぐらいの手前でしょうか、急激にエンジン出力が低下していき、水温計が二目盛りほど跳ね上がりました。空気が薄いので、エンジン回転数に対し出力が上がらないため、オーバーヒート気味のようです。アクセルに対する応答も悪くなったので、今回のドライブはここまでとしました。頂上を目指すなら、やはりLowギヤ付きの4駆がベストのようです。
Uターンして下山している最中も、多くの車が山頂でのサンセット目指して昇っていきます。大半はツアーの大型車かJeepでしたが、なかにはセダンも・・・。逆行している我一家は、道路途中のスペースを見つけて、そこを陣取りました。サンセットは山陰で見られそうにありませんが、正面には見渡す限りの雲海、その先にマウナ・ロアと絶好のロケーションです。家族一同写真撮りまくりで、この絶景を楽しむことができました。
この日の天文薄明の終了時刻は19:40ごろでしたが、日も暮れてしばらくすると、頭上高くオリオン座が見えます。カノープスも正面に見えて、緯度が低いことを実感できます。そしてなによりも驚きなのが、やはり冬の天の川でしょうか。薄明がまだ終わらない時刻ですが、すでに日本の観測地で見る、はくちょう座周辺よりも明るくはっきり見えます。水蒸気がないので、星像がとってもシャープ。西表島の星空も凄いと思いましたが、星が滲むように見えます。そこが大きな違いですね。ここで、いて座周辺の天の川を見たかったですね。もの凄いでしょうね、きっと。

D810A+SP15-30mm(15mm:F4)1min×3枚 ISO1600,SKYMEMO-R
 ※ けっこうなガイドミスあり。15mmの1min露光ですが、足元が砂地状なので極軸がズレたようです。 
   記念撮影程度にはなりましたが残念・・・

そして圧巻だったのは、黄道光。日本だったら、どこかのサーチライトか?思ってしまうほどの明るさでした。ちなみに先ほど冬の天の川は、黄道光より前に撮影しています。見てのとおり、薄明が残っている時間帯なのにこの星空ですから、抜けの良さが分かると思います。


マウナ・ケアは22:00以降の入場は制限さえれているようなので、余裕を見て21:00頃に撤収する予定でしたが、19:30頃から嫁さんの体調が悪化し始めました。軽い高山病になったのかもしれません。無理をしてもしょうがないので、薄明終了を待たずに撤収となりました。撤収をしている最中ですが、山頂から車がどんどん降りてきます。サンセット以降は、山頂から閉めだされるようですね。我々は、それらの車群が一段した頃に下山を開始しました。高度が下がるにつれて嫁さんの体調もよくなり一安心していると、あちこちの道路スペースに先ほどのツアーの車が止まっていました。どうやら下山途中に星空観望会を開いているようです。うちらは山頂行きを諦めた分、期せずして場所取り合戦は完勝となっていたようです。そんなこんなで、20:00過ぎにオニヅカ・センターに戻ってきました。出発時は雲の中でしたが、この時間は快晴で素晴らしい星空が広がっています。しかも大型の望遠鏡が5台程度稼働していていました。嫁さんの体調も回復したようなので、あと少しとお願いして望遠鏡をいくつか覗いてみました。最初に見たのは、C-11での木星です。良好なシーイングを期待したのですが、時間的にはまだ20:00。高度が低いせいか、SEBとNEB以外は、あまりよく見えませんでした。その後M42、M81などを見ましたが、もっとも良かったのはやはりM42でしたね。C-11なので視野一杯に広がっていましたが、コントラストが良いので、非常に階調豊に見えます。残念なのは、光軸が少し狂っていたことでしょうか?星がやや楕円になっていました。

こうして、山崎家のマウナ・ケアへのプチ遠征は終わりました。星空に関しては、まさにプチ体験になりましたが、その片鱗には触れることができたので、満足な旅路となりました。
最後にアロハ!なドルフィンツアーの画像をアップして終わりにします。それこそたくさんのイルカを見ることができました。 みなさんも是非!!


2016年3月15日火曜日

ハワイ島へ行ってきました オニヅカビジターセンター編

マウナ・ケア中腹から望む、マウナ・ロア

今回は、娘含め家族3人での旅行でした。私の唯一の旅の目的は、マウナ・ケアでの星見でしたが、当然ながら家族内での優先順位は低めです。なので、今回はツアーにはせず、状況判断しながら気軽にプラン変更できる方法、つまりはレンタカーで行くことにしました。なので、当初の目的地は、中腹にありオニヅカ・ビジターセンターでした。

マウナ・ケアについては今更説明するまでもありませんが、ハワイ島に位置する休火山で現地語で「白い山」と呼ばれています(山頂が雪で覆われることがあるので)。標高は4,205mもあり、富士山よりも高い山です。山頂付近がなだらかな上に気象条件が良いことから、現在13基の天文台が建設され稼働しています。、その中には、日本が誇る「すばる望遠鏡」もあります。このような場所ですから、多くの観光客が星を見るためにこの山を目指し、結果観光客の増加から、山頂付近の立ち入りが時間制限されるようになりました。したがって現地のツアーも、「マウナ・ケアでの星空」とはうたっていますが、山頂で見るのは日の出や夕焼けで、星を見る時間帯は中腹まで降りて道路わきのスペースで見ているようです。

さて、そんなマウナ・ケアへの道はサドルロードと呼ばれるハワイ島の東西を横断するハイウェからスタートします。かつては悪路だったようで、レンタカーでの走行が制限されていましたが、現在は全面舗装されていてしかも交差する道がほとんどありません。視界も良いのでみなさん60マイル/h以上の速度でかっとんでいました。ただし取り締まりも厳しいようで、上下線どちらでも、青いライトをくるくる回した覆面4駆?に捕まったと思われる車を見かけました。違反すると英語で言い訳しなければならないのですから、英語力に自信の無い人はスピードを控えめに。
サドルロードから見た、マウナ・ケア全景です。 もっとも高い処に白い点が見えますが、どこかの天文台のドームです。見ての通り平べったい山なので、富士山より高いとは思えないんですがね。ヒロ側から目指しているので、この先で右折になります。ちゃんと標識もありました。
 ※ この画像は、次の日にコナへの移動時に撮影しました。マウナ・ケアに登った日は、ドン曇りでした

ヒロから約1時間半で、オニヅカ・ビジターセンター(Maunakea Visitor Information Station)に到着しました。ここまでは全て舗装道路なので、通常のレンタカーで問題なく来ることができます。標高2,800mに位置するこの建物は、山頂で働くスタッフの高度順応を兼ねた休憩所として、また一般向けの教育機関としての役割を担っています。18:00~22:00にかけては、ボランティアによる天体観望会も開かれています。
でも、この日は見ての通り雲の中。記念のTシャツを買ったり近辺をぶらぶらするも、晴れそうな気配なし。また、人も車けっこう多いので、のんびり天体写真を撮影できる雰囲気ではありません。
で家族会議。せっかくここまで来たのだから、行けるところまで行こう!! ということとなり、17:00過ぎにマウナ・ケア山頂を目指して出発しました。
(続く)




2016年3月11日金曜日

ハワイ島へ行ってきました キラウエア火山編


しばらくブログをアップしていなかったので、忙しかったのでは? と思われた方もいたかもしれませんが、そんな期待?を裏切って、私は先週ハワイ島に行ってきました。ハワイ島、最高にいいです。とにかくアロハな島でした。横断歩道で道を渡ろうとする時など、ほぼ100%止まってくれます。日本も海外と比べればマナーはいい方ですが、ここハワイ島はそれが徹底していましたね。食事でも、ツアーでも、買い物でも、まったく不愉快な思いはしませんでした。ハワイに行くならハワイ島! おすすめです。
さてさて、ここにアップした画像は、あの有名なキラウエア火山のハレマウマウ火口で、直径約800mほどあります。ジャガー・ミュージアムと呼ばれる展望台から撮影しました。以前はこの反対側にある火口直近の展望台まで行けたのですが、2008年に水蒸気爆発があり、それ以降は周遊道路が閉鎖されてしまいました。ここから見る火口の昼間のイメージは迫力ありませんが、日が暮れると、下のように様相が一変します。この火口は溶岩湖を形成しているので、日が暮れると噴煙に溶岩のオレンジが反射する火映を見ることができ、火口周辺がオレンジ色に染まります。双眼鏡で見てみると、時折吹き上がる溶岩を見ることが出来ました。

そんな中、頭上を見上げるとオリオン座が見えました。この時期? ハワイ島は昼過ぎになると、雲がわき上がりどんよりした天候になるのですが、なぜか雲が消えてきれいな星空が見えています。ただ、三脚は車の中に置いたまま。いつ曇るか分からないので、とりあえず欄干にカメラを押しつけて、手持ち2秒で撮影したのが、下の画像です。ISO12,800で撮影しました。これが思ったほどぶれていません。とりあえずなんとか撮ったぞ! 次は固定撮影だと、車にさっそう・・・ではなくよたよたと小走りで三脚を取りに行き、再度のトライ。構図を合わせピントを合わせ、絞りだISOだとあれこれしていたら、いつの間にやらどん曇りになっていました。「キラウエアと冬の銀河」、残念ですが幻の一枚となりました。
次回は、あのマウナケア編です。