2015年7月26日日曜日

ASI224MCで太陽を撮影


最近話題のZWO社のカメラ、ASI224MCを入手しました。高感度・低ノイズが特徴のようですが、これらの特性は、
RB星さんのブログに評価結果が載っているので、そちらが参考になると思います。今回は、このカメラで太陽を撮影してみました。
このカメラ、現時点ではColor仕様しかありません。B/Wがあればよかったのですが、今のところSONYが製品化していないようなので、こればっかりはどうしようもないですね。さて、Color仕様なので、ベイヤー配列だとRの画素は全体の1/4しかありません。ただし、このカメラは、RGBフィルターの特性が近赤外で均一になるように調整されているので、Hα付近の光はRGB画素全てに感度があります。当然Rがもっとも高感度ですが、Gが1/4程度。Bが1/8程度の感度を保有しています。これを利用すると、最初の画像のようにGに露出を合わせることで、Rにプロミネンスの画像。Gに彩層面の画像を得ることができます。コンデジのニコンCOOLPIX990や、キャノンのS95で太陽を撮影している方がいますが、ほぼ同じ理屈ですね。
下の画像は、上の画像からG,Bを切り抜いてものです。等倍なので、実際の解像度になります。Gのピクセル数はBの2倍なので、G画像のほうが解像度が高いはずなのですが、そんなに差は無さそうです。最後の画像は、参考に載せたFlea3の画像です。ピクセルサイズが小さいので、解像度を65%に下げていますが、それでもASI224MCより写りは良いです。
ちなみに、今回程度の拡大率では60FPSで画像が取得できました。15秒で1,000枚近いフレームが得られます。AVIファイルで3.6GB程度になります。 参考にしてみてください。

60mm, f=500mm, Double Stack



2015年7月24日金曜日

天城高原は強風でした(7/21)


7月21日に天城高原に行ってきました。
その2日前にも、朝霧高原周辺をうろつきましたが、こちらは曇ってしまい見事に撃沈。色々とテストしたいことがあるので、眠い目をこすりながらも、平日の天城高原に出撃しました。
22時過ぎに到着したのですが、なんとまぁ先着組があちらこちらに陣取っています。平日なんですけど・・・。
空はGPVの予想どおり快晴です。天の川もよく見えていて、これは来た甲斐があったな!!っとなるはずでしたが、嫌な予感も的中してしまいました。強風が吹き荒れています。天城高原は、2回に1回は強風の中での撮影になるんですよね。
でも、こればっかりはどうにもならないので、強風吹き荒れる中で機材の組み立てをしました。
今回の目的は、太陽撮影で使用しているAP155EDFによる彗星の撮影です。VSD100で不足する焦点距離を稼いで、10等前後の彗星がどの程度撮影できるのか、確認をしました。
でも、結果は全然だめでした。このでかい図体が強風の影響をまともに受けるので、星が肥大してしまいどうにもなりません。さらに、風の影響か、はたまた重量バランスが原因なのか不明ですが、大半のガイドが流れてしまい、まともに撮影できていたのは、ピントの確認で最初に撮影した散開星団のみでした。 ※ 上の画像です。帰宅後調べたらM25でした。
さらに帰宅して気付いたのですが、撮影したデジカメ画像のノイズの凄いこと。この日は、深夜でも20°程度もあったので、たしかにノイズの影響は出るとは思っていましたが、ここまで凄いとは。考えてみると、デジカメで撮影するのは冬場のみで、夏場の経験がありません。 ※ ペルセぐらいはあるか・・・
目的のLovejoy彗星も撮りましたが、ガイドミスの影響で上の画像とは雲泥の差です。同じ光学系で撮影したとは思えない、画質になってしまいました。淡い部分が出れば、扇状に広がった姿がまだ見えるはずだったのですが。
結局、たいしたテストにはなりませんでしたが、バランスウエイトの重量が若干不足しているのが確認できました。「事前にやっておけよ!」 と突っ込まれそうですが、基本直前主義なので、いつもどおりの結果です。次回は、もう少しまともな画像を載せられるよう、頑張ります。


AP155EDF×0.76レデューサ
EOS6D(Normal)、ISO1600
 上) M25、 2min
 下) Lovejoy彗星  2min×10枚


2015年7月15日水曜日

7/15(JST) PST改造望遠鏡で撮影

  ※ 上が東です。南北を無視しているのでご注意を・・・
PST改造望遠鏡の性能を確認するため、2xの拡大レンズを装着して撮影してみました。シーイングも良くなかったのでややボケ気味ですが、このぐらいの画像は得られます。この状態で、PSTエタロンの位置を、調整可能な範囲内で前後させてみましたが、目で見て分かるような違いは確認できませんでした。
次に撮影したのはプロミネンスです。今朝も小粒なのしか見えませんが、とりあえずテストで撮影してみました。感度を上げても、IONのように中心付近にゴーストが発生しないので、期待したとおりの性能です。PST改造の本来の目的は、淡いプロミネンスの撮影なので、十分使えそうです。PSTを分解した甲斐がありました。

BORG125SD(開口絞り75mm) + PSTエタロン + BF-10 + CEMAX 2x (f=1,500mm, 0.52arcsec/pix)
 上) ASI120MM, 露出28msec, 30sec (18FPS), スタック数 150frames x 3pics Mosaic
 下) ASI120MM, 露出36msec, 30sec (18FPS), スタック数 100frames
Autostakkert2, Registax6, PS

2015年7月14日火曜日

Modify a PST (Stage2) ※だいたい完成

*** 注意 ********************************************************************************************************
以下の内容は、私の興味本位で行った改造内容について記載しています。太陽望遠鏡の改造は、
物理的な損傷以外に、身体にも大きな損傷を及ぼす恐れがあります。
また、メーカーの保証も受けられなくなります。
当然ですが、このような改造を行った結果で生じる損害については、責任は負えませのでご理解して
くださる方のみ、お読みくださるようお願い致します。
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今朝の日差しは、まさに突き刺さるような強烈のものでした。UVがバリバリ飛んでくるのを、皮膚を通して実感できる・・・
ような気がします。
さて、Stage2と呼ばれるPSTのエタロン+ブロックフィルター BF-10を利用したシステムの基本構成が決まりました。鏡筒部のフォーカサーは光路長が90mm近くもあったのでこれを外し、BORGの"7507(M68.8→M57)"を装着し、手持ちの2"ホルダー(BORG 7508、7501)を継ぎ足しています。これでトータル52mm短縮できたので、バックフォーカス200mm以上を確保出来ました。絞りはとりあえず段ボールで作成。内径75mmなので、ぴったりF10になります。アイピースを載せて、エタロン後方側に装着したフォーカサーを調整すると、予想どおりピントが合いました。PST改造望遠鏡のテスト機の完成です。

さてさてまずは目視でのイメージですが、前回ほど酷くはないのですが、やはりムラの影響は大きいです。BF-10なので、観察範囲は広いですが、その分ムラが目立つのでしょう。観察したい部位に波長を合わせ込むような方法で、場所場所でHαをチューニングする感じになります。私の場合は拡大撮影が目的なので、大きなムラは大した問題ではありません。
ちなみに絞りの効果についてですが、Filterの前面で出し入れした程度でも、やはり絞った方がコントラストが良さそうです。ただし、極端の違いはありませんでした。 ※ エタロン手前の絞りでどのみち制限されるためだと思います。
次に撮影した画像を載せます。
中心部が明るく、右側にいくほどコントラストが低下しますが、前回のようなとんでもない画像にはなりません。実用的には問題無いかなという印象です。プロミネンスの拡大撮影もしたかったのですが、なぜかしょぼいのしか見えません。仕事にもいかなければならないので、本日は確認程度で終わりました。エタロンの位置などを微調整して、再度テストする予定です。

BORG125SD(開口絞り75mm) + PSTエタロン + BF-10
Flea3 FL3-U3-32S2M, 露出10msec, 30sec (60FPS), スタック数 200frames
Autostakkert2, Registax6, PS
ちなみに下の画像は、PSTのBF-5を使用したStage1の構成で撮影した画像です。時間が無いので、細かい調整はしていませんが、ピントが出たのでとりあえずささっと撮影しました。印象としては、BF-10を利用したStage2の構成よりムラが大きく、シャープ感がやや落ちます。画像の両端は、Hαの中心波長からかなり外れているのが分かります。でも黒点周辺の拡大撮影をする分には、問題がなさそうですね。

BORG125SD(開口絞り75mm) + PST(BF-5)
Flea3 FL3-U3-32S2M, 露出4.5msec, 30sec (15FPS), スタック数 100frames
Autostakkert2, Registax6, PS

今回テストした、Stage2太陽望遠鏡の構成です。





2015年7月12日日曜日

Modify a PST (Stage2) ※途中ですが

今朝も晴れました。PSTの改造は前回のブログで書いたとおり、ピントの件で先延ばしで考えていましたが、ヨネヤンさんのブログ記事でバローレンズでF値を合わせる内容が載っていました。いけえるかな?と思い、ちょっとトライしてみました。
色々パーツを組み合わせてみたのですが、上の写真のような立体パズルみたいな構成にしたら焦点が合いました。
 ・ 笠井製の延長筒+TV Powermate 2x + 天頂ミラー + PSTエタロン + WO製フォーカサー + BF10 + CCD
2度も折れてぐにゃぐにゃですが、これでピントは合います。口径は110mmに絞っているので、2xのパワーメイトと合わせて、合成Fは13.6になります。PSTのエタロン+BF10を組み合わせて太陽望遠鏡を構成するこの仕様は、Stage2改造と呼ばれています。
色々問題はありますが、とりあえず撮影した画像を載せておきます。
まずは、動画1フレームのイメージです。かなり大きなムラが見えますが、透過波長が視野内で均一になりません。光学系の配置が影響しているのかもしれませんが、とりあえずこのまま先に進めます。
次は、処理後の画像です。Hαと一致した範囲は、それなりに写りました。ちなみにカメラは、DMK51AU02です。
プロミネンスです。この日見えていたプロミネンスはどれも小粒なので、なんだかよくわかりませんが、背景は意外と暗いので、IONより撮影しやすいかもしれません。ただ、ムラガ激しい。正規の光学配置にすれば、多少なりとも改善できるのでしょうか?
まぁ、撮影はできたので一安心です。

2015年7月11日土曜日

Modify a PST (Stage1)

*** 注意 ********************************************************************************************************
以下の内容は、私の興味本位で行った改造内容について記載しています。太陽望遠鏡の改造は、
物理的な損傷以外に、身体にも大きな損傷を及ぼす恐れがあります。
また、メーカーの保証も受けられなくなります。
当然ですが、このような改造を行った結果で生じる損害については、責任は負えませのでご理解して
くださる方のみ、お読みくださるようお願い致します。
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久々に青空を見ました。週末とも重なったので撮影三昧かと思いきや、色々なものを分解している関係で、たいしたことは出来ませんでした。そんな中、以前ブログに書いたPSTの改造作業が、ようやく先に進めそうです。お天気もそうなんですが、PSTを望遠鏡に接続するアダプターが出来上がってきました。いつもお世話になっているコスモ工房さんに依頼をして、製作してもらいました。
このアダプターは、PSTの金属鏡筒部を外してそこにそのままねじ込めます。これで一般的な接眼部の2"(50.8mm)の差し込み口に接続させることができるようになります。
上の写真が望遠鏡に接続した状態ですが、このような改造をStage1と呼んでいるようです。なお、Stage1を構成する場合の一般的なスペックは次の通りです。
 ・ F10もしくはそれより暗い光学系
 ・ 望遠鏡の焦点位置より200mm手前に、PSTブロック(エタロン先端)を配置できること
 ・ 先端または光路の途中に、ERFを挿入すること。 ※ 安全対策

ところが、テストする前から分かってはいたのですが、現在構成しているシステム(下図参照)ではピントが出ないようです。以前、Daystarの撮影に使用していたBORGのSD125mmを使用していますが、エタロン先端部は、望遠鏡の焦点位置より200mm手前に配置する必要があります。これはお約束みたいです。しかし、この望遠鏡に使用しているフォーカス機構では、焦点距離-160mmまでしか詰めることが出来ませんでした。あわよくばと思い本日テストしてみましたが、やはりピントが出ません。フォーカス機構を取り外して手持ちで前後させてみると、対物側に40mm程度移動させたところでピントが出ました。そうなると、この部分も改造する必要がありそうです。あんまりお金をかけると、DaystarのQuarkを買った方が安いのでは・・・という声が聞こえてきそうですが、それはそれなので、BORGの[7205]を中古で買って、再評価する予定です。たいした結果も出ていないのですが、本日はここまでとさせて頂きます。お粗末でした。

今回で分かったこと
 ・ エタロンの位置は、焦点位置-200mmを守ること
 ・ YG530フィルターを傾けないと、ゴーストが太陽像に重なる ※ ピンぼけでしたが確認できた


2015年7月4日土曜日

ASI224MC?情報その2


天気が悪くてネタがありません。なので、前回ちらっと書いたASI224関連のプチ情報を追加しておきます。
ASI224は、SONY製のIMX224MQVを使用しているものと思われます。自動車の車載向けで開発した素子のようで、星明かりより暗い0.005lx下でもカラー撮影が可能な高感度を実現しているとのことです。内蔵アンプの最大増幅度が72dB(約4,000倍)と桁違いの性能なので、今までフレームレートが稼げなかった、木星のCH4(メタンバンド)撮影にもってこいではないかと考えています。気になっていたのはカラーCCDしかアナウンスが無い点でしたが、それも問題ないようです。それらしき分光特性を見つけましたが、見てのとおり800nm以上の近赤外域で使用する分には、RGB画素間の感度特性が同じになります。つまりベイヤー配列のまま取り込めば、モノクロカメラと同等の解像度が得られるということになります。889nm付近のメタンバンド撮影にはもってこいのデバイスかもしれません。
発売されるのが楽しみになってきました。