2013年11月16日土曜日

彗星見えず! 代わりにM42


BORG125SD(F6)直焦点、Eos60Da+CLSフィルター、ISO800
8min☓6枚、2min☓6枚、30秒☓2枚
PHD Guidingによる自動ガイド、ガリバーにて撮影

中国南京から帰国しました。でも、来週月曜日からまた出張です。ISONの近日点通過まで続くので、かなりやばいですね。
実は、出発日の前夜、無謀にも彗星を撮影しに行きました。最近よく行く、朝霧高原のガリバー跡地です。視界・光害もまぁまぁで、伊豆方面に雲が多い時でも、ここらは結構晴れています。23:00ぐらいに到着したんですが、すでに先客が4組ほどいらっしゃいました。平日なのになんなんでしょうね? 西には月が明るく輝いていましたが、みなさん撮影している様子。端っこに止めて、あたふた準備をはじめました。
今回は、3年ぶりぐらいの直焦点撮影。EQ6赤道儀を買ったので、Boer125SDを持ちだして撮影にのぞみました。で、最初は自動ガイドのテストも兼ねて、M42を撮影してみました。PHD Guidingというフリーのソフトで自動ガイドをしましたが、実に調子が良いです。結局、8min☓6枚、2min☓6枚の計1時間分の撮影をしました。本当は、2時間以上撮影したいんですが、彗星が目的なので、ここで切り上げ。Lovejoyはかなり明るくなっていて、5cmの双眼鏡でも尾が淡く見えるようになりました。場所を確認して、望遠鏡を向けるとファインダーに光芒が。よし!と思い、Borgの位置を補正しようと一度空を見上げると、なんとも巨大な雲が流れてくるのに気づきました。5分ぐらいで、東天は全滅。30分も経つと、全天が雲で覆われて、The End。それから、朝方の4時まで粘りましたが、天候が回復することはなく、諦めて帰路につきました。帰宅して、2時間ほど仮眠をした後、羽田に向かいました。ちゃんちゃんです。

結局、彗星は撮影できなかったので、最初に撮影したM42をアップしておきます。60分程度の撮影なので、M42の周辺を淡い部分はかなりノイジーです。

※ ISONアウトバーストで増光中。11/16現在、4等星前後。なんてこった!

2013年11月9日土曜日

コーン星雲からバラ星雲にかけて


11月5日(JST) ガリバー
EOS60Da、EF135mm F2.0(F3.2)+CLSフィルター
ISO 800、露出300sec×24コマ
SKYMEMO-Rによる自動追尾

久々の星空写真です。去年も撮影したバラ星雲付近の散光星雲です。
背景の星とかマスクすれば、もう少し星雲を強調できると思いますが、へたれなので、ここまでやって、疲れてしまいました。  冬場になると、シーイングの影響もあり撮影が増えます。ホントは、夏場も撮影したかったのですが、結局一枚も撮りませんでした。冬は寒いのに・・・
ぼちぼちアップしていきます。


2013年11月8日金曜日

DeepSkyStakerのComet Stackingの機能

    C/2013 R1 (Lovejoy)  2min x 8pics

IOSN彗星がもうすぐ近日点です。そんな中、Lovejoy彗星が一足早く肉眼彗星になりそうで、晩秋の夜空は彗星の共演で賑やかです。彗星を撮影すると、その後のコンポジット作業が意外と手間がかかります。面倒くさいな~と思っている方には、DeepSkyStaker(以下DSS)をお薦めします。
元々は、撮影した画像をお気楽でコンポジット合成してくれるフリーのアプリですが、合成モードの一つに、「Comet Stacking」機能があります。これがまた優秀で、通常彗星の合成は、核の移動に合わせてスタックしていくので、星は流れてしまいます。しかし、DSSの合成は、星と彗星を別々に処理して合成してくれます。なので、出来た画像は、星も彗星も流れていません。 素晴らしい!


使い方のポイントだけここに書いておきます。 ※ ごめんなさい

  ・ 画面左下の「Setting」を押して「Stacking Setting」を選択します。
  ・ Stacking Parameters画面のタブに「Comet」があるので選択し、合成方法を選択します。(下の画像)
  ・ 画像を読み込むと、画面右にモード選択のアイコンが出てくるので、3番目の「Edit Comet Mode」を選択します。
  ・ DSSでは、彗星の位置を自動認識はしません。彗星の位置を手動で設定していきます。
    彗星の近くにカーソルを置けば、設定用の枠が表示されるので、微調整してクリックしてください。赤丸が表示
    されて、彗星位置が登録されます。設定を間違えた場合、再度クッリクすると登録が解除されます。
    (2013/11/09 追記)
    彗星の画像が貧弱だったり、または明るすぎると位置登録がうまくできない場合があります。そのような時は、
    シフトキーを押しながらクリックすると、強制的にその位置を彗星の中心とすることができます。
    また、デジタルカメラでの撮影などで、日付・時刻情報が記録されている画像の場合、最初のフレームと最後の
    フレームの、2点だけ指定すれば、残りの画像の彗星の位置を自動で計算してくれる機能もあるようです。 
     ※ 試してはいませんが


ではでは、ISON彗星の大化けを期待しましょう!!


2013年11月5日火曜日

ラブ!joy ! 彗星が明るい (C/2013 R1 : Lovejoy)


Lovejoy彗星が明るいです。
昨晩、ガリバーの駐車場で彗星を見てきました。誰かいるのでは思いましたが、さすがにそのまま出勤になるので、誰もいません。でも、空は雲一つない快晴。じっくり彗星を見ることができました。
世間は、ISON彗星で話題が持ちきりですが、今朝のISONは光度で8等級ぐらい。大型双眼鏡を忘れてしまい、5cmの双眼鏡で確認しましたが、光害の影響もあり、どうにかこうにか見える程度。三脚に固定して、じっくり観察すると、わずかに尾が確認できましたが、もっと大きな機材でないと楽しめません。見て楽しめるのは、11月中旬以降でしょうか?
これに対し、Lovejoy彗星は想像以上に明るかったです。5cm双眼鏡を予報位置に向けると、難なく見つかりました。大きく広がったコマは明るく、全光度はすでに肉眼等級に達しているものと思います。尾は淡く、うっすらとしか見えませんでしたが、11月後半に地球に0.4AUまで接近し、尾の長さが20°を超える可能性があります。ISON彗星に気を取られていると、見逃す可能性があるので、要注意。

写真も載せておきます。JPG1枚の簡易処理なので、画質はご勘弁を・・・

2013年11月4日月曜日

WinJUPOSを使ってみよう (De-rotation編3)

少し間が空きました。ごめんなさい。さて、今回で終わるでしょうか?

2:De-rotation of R/G/B Frames


この機能は、RGB・LRGB合成時の模様のズレを補正します。LRGB合成は、近年、惑星撮像の主流です。これは使えそうと思うかもしれませんが、残念ながらこの機能はかなり限定的です。つなみに処理できるのは、次のとおりです。

 ・ R/G/Bフィルターで個別に撮影された画像による、RGB合成。
 ・ L/R/G/Bフィルターで個別に撮影された画像による、LRGB合成。

多くの方が行っている、L画像+カラーCCD画像によるLRGB合成はサポートしていません。カラー画像をR/G/Bに分解してimsファイルを作成すれば、処理は可能ですが、手間がかかるので、あんまりやる意味ないでしょう。あえて行うとすれば、天候等でL画像とカラー画像の撮影時間に間が合いた場合は、有効かもしれません。
ちなみに、使い方は簡単です。LRGBの各画像をimsフィアルにして、読みこむだけです。Red/Green/Blue Channel、さらに、Luminescenceにimsファイルを割り当てれば、RGBまたはLRGB画像が得られます。
ちなみに、私はフィルターワークでL/R/G/Bを撮影しているので、この機能が必須です。

3:De-rotation of video streams


さて、最後にクセモノの登場です。
ある意味、この機能が基本のような気がしますが、これがなかなか思った様にいきません。
まず、この機能の基本は、撮影した動画の各フレームの模様を移動して、動画を再構成することです。動画をoutputするので、以降はRegistaxなど、従来と同じ処理をすることができます。
また、経緯台で撮影した画像に発生する、視野内回転も補正可能なので、そのような撮影スタイルの方には、有効かもしれません。
では、処理の手順を書いてみます。

 ・ 撮影した動画から一度スタック画像を作成します。これは、いつもようにimsファイルを作成するための作業です。
   使用する動画は、撮影条件が同じものであれば、別のものでも構いません。できれば、長時間撮影する前に、
   60秒程度の動画を撮影しておくことをお薦めします。

 ・ スタックした画像から、imsファイルを作成します。

 ・ 設定が必要な項目を列記します。
    Original video : 処理したい動画(avi、ser)
    start time of video(UT)、end time of video : 撮影の開始時間と終了時間。 ※ 中間時刻に合わせこみます。
    Image measurement of a preliminary image from the original video : 先のimsファイルを指定
    Compensation of field rotation in altitude over azimut mounts : 経緯台で撮影した画像の視野内回転の補正
    Output "Stacked image" : WinJUPOSでスタックした画像を出力。
    Output "Corrected video" : WinJUPOSで補正した動画を出力。

 ・ Start De-rotation of video stream : 変換を開始します。

以上です。
それでは、処理した画像を見てみましょう。左上から順に、次の処理をしています。

 1: Autostakkert2(Single) + Registax6
 2: Autostakkert2(Multi)  + Registax6
 3: WinJUPOS(stack)   + Registax6
 4: WinJUPOS(video) + Autostakkert2(Multi) + Registax6

撮影時間は4minのser動画です。"avi"は2Gbyte以上の動画を取り扱えない場合が多いので、元動画は"ser"形式で保存することをお薦めします。なにせ4minでも5.6Gbyteのサイズです。目的からすると、動画の時間は10min以上が良いのですが、それだと10Gbyteを超えてしまいます。
まずこの中で、解像度が一番悪いのが3番めのWinJUPOSでスタックした画像です。それ以外の3枚は、見ての通りあまり差がありませんでした。あえて違いがあるとすれば、4番のリム付近の模様がややはっきりしているかな?ぐらいです。こうして見てみると、4min程度の動画であれば、通常の処理でも違和感なく仕上がるがわかります。また、動画の変換処理だけで10分以上かかりました。


次はメタンバンドで試してみます。まず、変換後のAviファイルですが、なぜか階調が反転しています。録画時のレベルが50%付近なのが影響したかもしれませんが、理由は分かりません。とりあえず、VirtualDubを使って、階調反転した動画を作成しました。 ※ 右の画像


次に、変換した動画を覗いてみると、こんなフレームになっています。撮影時間は15minです。大赤斑付近のリムを見ると、WinJUPOSの処理で不自然な模様が見えます。


この画像を、処理した結果が下の画像です。15minの動画を、そのままAutostakkert2で処理した画像も載せておきました。模様がもっとも見えるのは、3番目の画像ですが、リム付近の不自然な模様を追いかけてしまうので、見栄えに耐える画像にはなりませんでした。スタックをシングルにしてみたのが2番目です。リム付近は平均化されて、ほとんど目立たなくなりましたが、WinJUPOSを使用しない処理結果と、あまり差がありません。
このように、WinJUPOSを使えば、劇的に画像が良くなるわけではないことが分かると思います。


最後に・・・
長時間撮像による動画処理の方法として、WinJUPOSをご紹介しました。みなさんの感想は、思ったより効果が無いな! という感想だと思います。好シーイングの画像で試せば、もう少し違った結果になったかもしれません。
最後に、11月1日のメタンバンド(CH4)画像の結果を貼り付けておきます。
シーイングは、4/10ぐらいでしょうか。連続して撮影した2min x 8画像と、中央時刻に近い2minの画像を並べてみました。この画像は、Registax6での強調処理が異なります。当然、2minx8の方が、強めのパラメータです。
ノイズが減ることで、強い処理に耐えらる画像になります。好シーイングであれば、詳細な模様が得られた思います。
ではでは、ここで一区切りとさせて頂きます。


2013年11月2日土曜日

11月2日(JST)の木星


今朝の木星です。濃い2本のベルトはしっかり見えるのですが、細かい部分がまったく見えず、ピント合わせに苦労しました。それでも、処理後の画像は思ったより良かったです。
ちなみに、LRGBのLは、2min☓5pics。メタン(CH4)は、2min☓8picsです。WinJUPOSで合成しています。