2013年6月30日日曜日

6月30日のプロミネンス


久しぶりに太陽を見ることができました。この日は、比較的大きめのプロミネンスが見えました。眼視でも、立ち上がったプロミネンスの細い筋が幾重にも見えて、なかなか見応えがありました。また、雲が多めでしたが、合間合間でそこそこ撮影できました。撮影時間は20秒でしたが、画質が左右で大きく異なります。画面右方向の画像がややぼけています。スタックの問題か、はたまた20秒間でも、この部位の形状が変化しているのかわかりませんが、ちょっと残念でした。
来週は少し天気が良さそうです。土星も撮影が難しくなって来ました。そろそろシーズンオフです。

BORG 125mmSD、Daystar-ION (0.7Å)
Powermate 4x, BFLY-PGE-09S2M(B/W)
15msec-20sec(120frames to stack)

2013年6月19日水曜日

アルプス谷の夜明け


月面撮影の続きです。今回はアルプス谷。中央谷がそこそこ写りました。
眠いので、コメントはいずれ・・・

DK125 (318mm, F20)
ASI120MM + R-Filter
30sec

アルプス山脈の長い影


久々の月です。日曜日の夕方から撮影できたので、あちこちと地形めぐりをすることができました。
特にアルプス山脈の日の出風景は、長い影が伸びていて印象的でした。

地名一覧
 右下のクレータ                   : カッシーニ
 アルプス山脈の突端(カッシーニの左やや上)  : アガシ岬(名前あるのですね)
 アガシ岬のとなり(左上)              : デビィユ岬
 さらにその左上                   : モンブラン(まさにアルプス)

また、画面中央下に見える、真っ白な地形はピトン山(高さ2,250m)です。暗い中、この山頂が異様に赤明るく光っていました。実際、撮影時のピトン山周辺はもっと暗い印象です。影を強調するため、周辺の輝度をやや上げました。
太陽もそうですが、月面の欠けぎわもなかなか目で見たとおりの印象に仕上げるのはむずかしいです。

DK125 (318mm, F20)
ASI120MM + R-Filter
30sec×2pics (欠けぎわを露出を変えて2枚撮影しHDR合成)

2013年6月15日土曜日

FireCaptureが動いた (*^_^*)


FireCaptureの最新Ver2.2は、日本語Windows環境で動かいないと報告していましたが、ER32さんの6月6日のブログ
解決方法が載っていました。私もこの手順にそって作業してみましたが、Window7の64bit版はダメでしたが、32bit版は無事起動しました。上の画面は、起動したFireCaptureV2.2です。
ER32さん、ありがとうございました。情報を教えていただいたRB星さん、ありがとうございます。 よかった、よかった。

(6/17 追記)
ER32さんが、Windows64bit版での問題も解決してくれました。ここを参照してみてください。
これで、この問題は全て解決したと思います。結局、私はワーワー騒ぐだけで、なんにもしませんでした。ちょっと反省しています。(-_-)
ER32さん、あらためてお礼を申し上げます。


2013年6月12日水曜日

ASI120MM CMOSカメラ


今回紹介するのは、ZWO社のASI120MM、CMOSセンサーを搭載したUSB接続のカメラです。
中国もしくは台湾製のカメラと思われますが、なぜか原産国表示がありません。でも作りは上等で、サイズがやや大きいものの、重さはDMKと大差がない感じです。センサーは、Aptina Imaging製のMT9M034が使用されています。このCMOSセンサーの分光特性は以前ブログに載せていますが、ピーク感度ではQEが75%に達します。CMOSセンサーはノイズが大きく、過去のテストではゲインをあまり上げられなものが大半でした。太陽や月の撮影では問題ありませんが、惑星にはあと一歩という印象でしたが、このカメラは、CCDと遜色ない感度・ノイズ特性を持ち合わせています。ようやく、本格的な惑星撮影に使用できるCMOSカメラの登場です。
このカメラ、今のところ日本での代理店はなさそうです。私は、ドイツのTS社より299Euroで購入しました。円安の影響で、送料込で約4万円をやや超えます。メーカのH.P.に載っていた、このONLINEショップでは、送料込で$317で販売しています。こちらの方が、お得です。
このカメラの特徴は次のとおりです。

 [特徴]
  ・ XGA(1280×960)仕様なので、月・太陽にも向いている。
  ・ ピクセルサイズが3.75μmなので、拡大率が小さくてすむ。 ※ ICX618は5.6μm。拡大率の変更が必要になります。
  ・ USB2.0接続なので、取り扱いが容易。
  ・ ROI(撮像範囲を絞る)により、カタログ値では100FPS以上。4年前のPCで、70FPSまでは動作確認。
  ・ 実感度が、SONY製CCD-ICX445(モノクロ、ピクセルサイズ3.75μm)と同等。
  ・ 低価格(30,000円 $299) ※ 送料は別です
  ・ 付属品が豊富。(f=2.1mm CCTVレンズ、1.25"-IRカットフィルター、Φ31.7mmスリーブ)※ 写真参照

買って(°д°)なのは、CCTVレンズが付属していること。$299の価格で、レンズだのフィルターなどが付属しているとは・・・
原価はいったいいくらなのでしょうか?
本題のカメラの性能ですが、前回と同じく既存のCCDカメラと比べてみました。DMKと比較すると、ピクセルサイズの違いから拡大率を変更する必要があるので、今回は同じピクセルサイズを持つ、PointGreyのChameleonと比較しました。ICX445を搭載したこのカメラは、惑星用として十分な感度を持っています。昨年までの土星は、ほぼこのカメラで撮影しました。


見ての通り、ASI120MMはCahmelonより10%ほど露出が伸びましたが、ほとんど差が無いと思います。Chameleonは、ROIを設定しても最大で25FPS程度までしかキャプチャーできませんが、ASI120MMは、70FPSでも可能でした。30cm-F20で最大ゲインまで上げると、L画像はそのレートで撮影できます。これは、前回紹介したBlackflyよりも高速です。長時間露光時のノイズもCCD並で、カメラ自体は1,000秒まで設定できます。撮影した画像の等はCCD撮影したものと同等でした。実際、画像処理も含めて従来と同じ手順で問題なく作業できます。
海外では既に多くの方が使用しており、最近ではフィリピンのGoさんが、このカメラで素晴らしい土星の画像を撮影しています。ちなみに、前回のブログの土星画像もこのカメラで撮影しています。

問題点
大きな問題はありませんが、購入直後からCCD面はゴミが多かったです。保護ガラスが無いのが一因ですが、外から見えないところで、手を抜かれている感じがあり残念です。また、CCD用のキャップが付属していません。自分で用意するか、撮影後にCCTVレンズを付けておく必要があります。まぁ、たいした問題ではありませんが。
惑星撮影でもっとも気になる点は、電子シャッターがローリングシャッターということです。これは、全画素に対し一斉に露光の開始・終了を行うのではなく、1ライン毎に開始・終了を制御する方法です。コスト面でメリットがあるので、CMOSセンサーではごく普通の仕様です。このシャッター方式の欠点は、画面の最初と最後のラインで時間差が生じることです。一般撮影でも、コンニャク現象などと呼ばれていますが、動体やカメラを揺すりながら撮影すると、プリンとか、コンニャクが揺れるような様の画像になります。
本来、静止画像に近い天体撮影では問題になりにくいのですが、シーイングの影響でゆらゆらしてる対象に、ローリングシャッターによる乱れが加わる可能性があります。今後は、その当たりの確認もしてみたいと思います。

付属のCCTVレンズで撮影(望遠鏡の向いている先の星が土星)
0.5秒露光×10フレームぐらいをRegistax5.1で合成(ノイズを消すのに使用)

このカメラで撮影した月です。

2013年6月9日日曜日

6月5日の土星


季節感はすでに夏ですね。梅雨の気配がまったくありません。でもシーイングはイマイチの状態が続いていますね。6月8日も撮影をしたのですが、これがもうぐにゃぐにゃで、早々に撤収しました。
この画像は5日の撮影です。透明度が悪く、通常の倍近い露出をしています。

2013年6月5日水曜日

6月3日の土星


特に根拠はなかったのですが、好シーイングを期待して望遠鏡を向けましたが、予想に反して忙しく動く土星にがっかりでした。でも、2/5(4/10)程度のシーイングは、日本では決して悪くありません。気を取り直して撮影です。(少し大袈裟です) せっかくなので、以前から試してみたかった20分のL画像を撮影してみました。2分×10枚の画像をWinJUPOSのDe-roation機能で合成しています。スタックした枚数は12,000フレームに及ぶので、かなり強めの画像処理をしても、そこそこ絵になりました。一昨年の白斑点活動の残骸が確認できます。
海外では、40分を超える露出時間をしている方もいますが、極の六角形構造はもちろん、その周囲の模様まで写し出しています。位置精度にどのくらいの信頼性があるのかは不明ですが、淡い模様の抽出方法としては効果があると思います。
ちなみに、今回撮影に使用したカメラはASI120MMです。CMOSカメラですが、よく写ります。今度レポート書きます。

DK125 fl=6350mm 直焦点
ASI120MM (mono pix 3.75um)
LRGB L:1200sec (25msec), RGB:120sec(32-70msec)

2013年6月4日火曜日

6月4日の太陽(プロミネンス)


今朝の太陽は、見ごたえのあるプロミネンスが発生していました。シーイングの変動が激しく、ピント合わせがしんどい状況っだったのですが、思いのほかよく写りました。
撮像だとイマイチ伝わらないんですが、プロミネンスは目で見たほうがずっと綺麗に見えます。コントラスト低い惑星の表面と違い、太陽縁は輝度差が激しいのでみなさん色々と工夫していますが、ダイナミックレンジの広い人の目はやっぱり凄いなと、感心しながら眺めていました。


この画像ではダークフィラメントが太陽の縁にあり、一部がプロミネンスとして見えています。呼び方が違うだけで、両者が同じ現象なのがよくわかります。

BORG 125mmSD、Daystar-ION (0.7Å)
Powermate 4x, BFLY-PGE-09S2M(B/W)

2013年6月3日月曜日

CCD/COMSセンサー感度特性


最近紹介した、Blackflyカメラに使用されているICX693(モノクロ仕様)の感度特性の資料を見つけたので、アップしておきます。比較用にICX618などのグラフと重ねてみました。

 ① ICX618:DMK21AU618に使用されている。赤~近赤外が、特に高感度。最近の主流素子。
 ② ICX445:PGR社のChameleon等で使用されている。ピクセルサイズが3.75μm。私の場合、月や土星はこれで撮影。
 ③ ICX639:Blackflyで使用されているデバイス。550nmより短い波長の感度の良さが際立っている。
 ④ MT9M034:次回、紹介予定のCMOSセンサー。惑星用として十分使用に耐える、初のCMOSカメラと評判。

③、④が最新のデバイスです。どちらも変換効率が、ピーク時に70%を超えています。特にMT9M034は80%に手が届くところまできています。分光特性は、どちらかといえば、可視光域でバランスの得やすい特性のように見えますが、ICX693が短波長域で、他よりも特性が左にシフトしているのが分かります。UV撮影時に高感度で撮影できるのは、やはりこのような特性が寄与していそうです。次回は、惑星向けのCMOSカメラ、ASI120MMを紹介する予定です。

6/3 追記
このグラフは、あくまでもセンサーのQE(量子効率)を比較したものです。 ※QE=発生した電子数÷入力光子数
ICX618とICX445は同じようなカーブですが、ピクセルサイズがICX618は5.6μm。ICX445は3.75μmなので入射する光子数自体が異なり、当然、電気信号のレベルが変わります。また、カメラ側のA/D変換部の構成やゲイン回路で最終的なレベルが決まるので、カメラの実感度がこのグラフ通りなるとは限りません。実際CMOSセンサーは、今まではノイズが大きかったため、QEが良くてもS/Nが悪く、結局はゲインを上げられませんでした。CMOSセンサーのQEは既にCCDを上回りますが、惑星用で普及しない要因がこの点でした。

2013年6月2日日曜日

太陽撮影システム3 (Daystar社 ION 0.7Å)


太陽観測用のHαフィルターメーカーは、Coronado、Lunt社が有名ですが、知る人ぞ知るメーカーとしてDaystar社があります。日本で使用している方はあまり見かけませんが、Coronadoのような口径の制限が無いので、海外では15cmを超える望遠鏡に取り付けて、素晴らしい画像を撮影している方々がたくさんいます。今回紹介するのは、Daystarで一番安い部類に入るフィルター"ION"です。下の写真の赤い部分がフィルターがそれにあたり、半値幅が0.7Å仕様で約$2,200でした。プラス、エネルギーカットフィルターやアダプター送料等で、総額$3,000の出費です。 ※ 円高だったので助かりました・・・
Coronadoの90mm望遠鏡が送料込で$4,000ぐらいですから、既存の望遠鏡を利用できるこのフィルター利用することで、多少なりとも安くすることができます。


"ION"は、フィルター単体で超狭小のHαフィルターを実現しています。これを焦点側に配置するので、口径の制限はありません。ただし、フィルターや光学パーツのダメージを防ぐため、先端部にUV/IRをカットするエネルギー遮断フィルター(ERF)を取り付けます。このERFは、エタロンほど高価ではありませんが、市販で入手可能なものは20cmぐらいまでです。したがって、このフィルターで実質的な口径の制限が発生します。
このフィルターを使用する上での一番ポイントとなるのは、F値です。下の構成図を見ての通り、フィルターの手前に、バローレンズを配置しています。そしてメインユニットのHαファイルターという構成になります。
バローレンズを使用する理由は、このHαフィルターに入射する光を、できるだけ平行光にするためです。Fが短くなると、半値幅の値が定格より大きくなり、表面のコントラストが低下していきます。メーカは、F27~F30程度を推奨しています。私の場合、望遠鏡の口径を絞り、F27.2で使用しています。

 ・ Borg125mmF6に対し、口径を110mmに絞る。 ※見た目はF6.8になる
 ・ Televue Powermate 4xにより、 6.8×4=27.2で使用。

構成図

F値と半値幅の関係

エネルギー遮断フィルター(黄色)の画像です。フィルター自体は、130mm以上ありそうですが、内側に110mmの絞りが入っています。フードに被せて、ネジ3点で、半固定状態で使用しています。


なんだかんだと話が長くなってきたので、今回はここまでにします。
次回は、このフィルターを使用する上でのコツや問題について書いてみたいと思います。
ではでは

6月1日のプロミネンス


梅雨に季節に入りましたが、この日は朝から爽やかな青空が広がり、久しぶりに太陽を撮影しました。この日の太陽面は黒点が少なく寂しいイメージでしたが、ちょうどプロミネンスの噴出が発生していて、淡いものの太陽から飛び出した様がとても印象的でした。
上の画像は、この噴出現象を5分・6分の間隔で撮影したもので、形が様変わりしていく様子が分かります。噴出したガスの勢いが太陽の脱出速度に足らず、落下していく様子が見れたと、某ブログに解説がありました。勉強になりました。
さて、このフィルターの目下の悩みは、背景コントラストがあまりよろしくないという点です。プロミネンス撮影時の背景は、様々な原因で発生した迷光でかなり明るく、淡い構造が消えてしまいます。要因の一つに、接眼部のたわみがありました。紐で釣ってたわみを改善していますが、この引っ張る量を加減すると背景の明るさが変わります。基本的に、ヘリコイドの動きがスムーズになる点、つまり、たわみが矯正された箇所で背景が暗くなります。これで一つ解決。次の改善は、多分フィルターで反射した光が折り返して発生していると思われる、ゴーストでしょうか?これは、光球面の撮影にも影響しているのですが、対策を検討中です。

BORG 125mmSD、Daystar-ION (0.7Å)
Powermate 4x, BFLY-PGE-05S2M(B/W)、15sec(stack 100pics)